症例紹介

Case 47 非再生性免疫介在性貧血の犬の1例

体重の減少と異嗜(ティッシュを食べる)および嘔吐を主訴に来院した12歳のシュナウザーちゃんです。

身体検査で明らかな貧血が認められたため、血液検査を行ったところ、PCV値が18.5%(正常37〜55%)と重度の貧血が認められました。

出血などに伴う貧血の場合、血液をニューメチレンブルーという染色液で染めると若い赤血球が染まり再生している像が観察されますが、このワンちゃんの場合再生像が全く認められませんでした。

抹消血s

抹消血〜再生像が認められない

 

貧血は鑑別診断から骨髄の異常あるいは非再生性免疫介在性貧血が疑われ、翌日には更に進行しPCV値が14.0%にまで低下したため、輸血を行って状態を安定化させてから骨髄穿刺を行う事にしました。

骨髄穿刺s

骨髄穿刺

骨髄所見s

骨髄所見

 

骨髄検査では多数の造血細胞が採取され、赤芽球系が過形成を示していました。一方、抹消血では上述のとおり再生像が認められず非再生性免疫介在性貧血が強く疑われました。また、骨髄球系および巨核球系では正常な分化過程が観察され、白血病などを示唆する所見はありませんでした。

骨髄腔のコア生検では線維増性が観察され骨髄線維症が併発している可能性も考えられました。

グラフ

PCVと血小板数の推移

ガンマーガードs

ガンマガード

 

 

 

 

 

 

 

ステロイドの投与より16病日までは比較的良好に推移していましたが、第22病日には貧血の進行が確認されたため人免疫グロブリン製剤(IVIG)であるガンマガードの投与を行い経過観察中です。

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

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